
近視進行抑制治療
近視進行抑制治療
近視とは眼球が前後に伸びて、ピントが網膜に合わずにモノや字がぼやけて見える状態です。眼球の伸びは身体の成長と関連するため、成長期に大きく進行する傾向があります。
小児の近視の(人口)割合は、過去に比べ増加しており、小学生の36.8%、高校生の71.1%が裸眼視力1.0を切ると報告されています。その背景には、外遊び時間の減少や、近くを見る作業が増えたこと、タブレット端末の使用など現代でのライフスタイルの変化が原因と考えられています。
また近視は進行すると、緑内障や網膜剥離などの病気の危険因子となるため、近視進行抑制治療の目的は、小児期にできるだけ近視が強くなるのを避けることで、将来の見え方を守り、また目の病気になる可能性を低下させることとなります。
リジュセアミニ点眼液0.025%は、Myopine0.025%点眼液と同様の有効成分:アトロピン硫酸塩水和物を用いた、日本で初めての近視の進行抑制を目的とした点眼剤となります。なお、本剤は、薬価基準未収載医薬品となるため、健康保険等の公的医療保険の給付対象外となります。※自由診療
日本において、5歳~15歳の近視患者を対象とした第Ⅱ/Ⅲ相プラセボ対照二重遮蔽比較試験を実施した結果、リジュセアミニ点眼液0.025%の投与24ヵ月後における調節麻痺下他覚的等価球面度数の投与前からの変化量について、本剤はプラセボ群に対し、優越性が検証されています。つまり近視の進行抑制を認める結果となりました。
リジュセアミニ点眼液0.025%は、アトロピン硫酸塩水和物を主成分とする点眼剤です。
この薬は眼軸長(眼球の前後の長さ)が伸びるのを抑えることで近視の進行を抑制することが期待できます。
主な副作用として、羞明(まぶしく感じる)、霧視(かすんで見える)などが報告されています。
これらの症状、その他にも何らかの異常が現れた場合には、直ちに医師にご相談ください。
通常、1回1滴を1日1回就寝前に点眼します。必ず指示された使用方法に従ってください。
本治療は、近視の進行を抑えることを目的としています。ただし、完全に近視の進行を止めることはできません。また、この治療は視力を回復させるものではありませんので、近視の程度に応じて眼鏡等での視力矯正が必要となります。点眼後、かゆみや目やになどアレルギー症状を起こす場合があります。その場合は、点眼を中止し、医師にご相談ください。
一時的に目がかすんだり、まぶしく見えたりすることがありますので、必ず就寝前に点眼してください。就寝前に点眼しても、翌日までまぶしく見えることがあります。症状が回復するまでは、落下の恐れがある遊具の使用、自転車の運転など控えてください。
治療期間中および中止後は、定期的に眼科を受診して、近視の進行状況を確認する検査を受けてください。医師の指示なしに、点眼するのを止めないでください。近視が急激に進行することがあります。
点眼価格 | リジュセアミニ点眼液0.025% 1包装:30日分:¥4,380 |
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初回受診 | 通常の保険診療で近視の状態を評価します |
治療開始時 |
自由診療開始となります
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1か月後 |
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3か月毎 |
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主な副作用は、「まぶしさ」です。これは瞳孔が広がるために起きる症状ですが、就寝前に点眼すれば、朝には元に戻ります。起床後にまぶしさ等を感じる場合は、前日の点眼時間の調整が必要かもしれません。
最近の研究では、中断後に近視が再度進行したデータも出てきております。自己中断なさらないでください。
9%の方には無効であったというデータがあります。近視進行がほぼ止まったと感じる方もいれば、抑制効果がでづらい場合もあります。当院では、まず2年間使用していただき、効果判定をしながら治療の継続の可否について、ご相談させていただいています。
基本的には近視を進まないようにする治療であり、視力を回復する治療ではありません。
現在のところ報告されておりません。
年齢にもよりますが2年以上の継続をお勧めします。当院では、まず2年間使用していただき、効果判定をしながら治療の継続の可否について、ご相談させていただいています。
可能です。新しく報告されている内容では、開始時5~15歳を対象にしたもので、効果を認める検証結果となっています。 ただし、点眼後8時間程度は瞳孔に影響があるため、高学年になって生活リズムが変わり、夜に点眼してから朝起きるまでの時間が短くなると、朝のうちは近くが見づらい・まぶしいといった症状を感じることもあります。
可能です。コンタクトレンズは外した後に点眼をして下さい。
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